こいけくりにっく

小池クリニック

〒662-0927 西宮市久保町7-35
阪神本線 西宮駅より徒歩約10分
QRコード
一般内科
一般内科の診療
咳、発熱、頭痛、インフルエンザ、肺炎、糖尿病、生活習慣関連(高血圧、高脂血症、肥満等)、貧血、喘息、肺気腫、不整脈、動脈硬化など内科一般の診察を行います。

●風邪
鼻や喉に感染がおこり炎症を起こします。症状は、咳、鼻水、鼻づまり、軽いのどの痛みや発熱等で原因の9割以上がウイルスによるものです。
また、しっかり治さないとその後、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、治ったと思って無理をせず、しっかり完治するまで来院されることをおすすめします。熱を含めた症状の経過をしっかり観察することが大切です。

●インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。
インフルエンザに感染すると、1~5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。風邪よりも急激に発症し、症状が重いことが特徴です。
健康な人であれば、その症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。気管支炎や肺炎などの合併症を発症しやすく、重症化すると脳炎や心不全になる場合もあります。インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。二次感染、合併症の予防のために、できるだけ早く受診することが大切です。

●高血圧
血圧が高い状態が続く事で血管の壁に圧力が掛り、その結果、血管を傷めて次第に血管が硬くなり動脈硬化へとつながります。
高血圧の原因は特定されていませんが、遺伝的要因と食生活(塩分の高い食事)や嗜好(喫煙・飲酒)過多、または運動不足や精神的なストレスなどの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。

●脂質異常症
血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多い為に引き起こされる疾患です。
これらの余分な脂質は、動脈の壁にくっついて血管を硬く狭くしていずれ動脈硬化を引き起こします。
コレステロールには善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があり、善玉コレステロールは細胞内や血管内の余分な脂質を肝臓に戻す働きがある為、悪玉コレステロールを減らすことに役立っています。
高脂血症の主な原因は食生活(カロリー過多)や嗜好(喫煙・飲酒)過多、運動不足、遺伝などが考えられます。

●糖尿病
血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。
人体は、たくさんの細胞から成り立っていますが、この細胞が働く為のエネルギー源がブドウ糖です。
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしています。しかし、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまうのです。
血糖が高いということは、体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、そのため全身の細胞の働きが悪くなります。のどが渇く、尿が多い、傷が治りにくい、感染症にかかりやすい、疲れやすい、集中できないなどの症状が表れます。

●骨粗鬆症
加齢や薬の副作用などによって骨密度が低下する病気です。
女性ホルモンの低下とかかわりが深いため、40代以降の女性では早めの骨密度検査をお勧めします。
骨粗しょう症の治療の目的は骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。薬物療法、食事療法、運動療法を平行して行い、骨密度を高めましょう。
循環器内科
循環器内科の診療
●狭心症
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。
狭心症は通常、心臓にかかる負担(および酸素の必要量)が増大して、心臓が必要とする十分な量の血流が冠動脈から供給されなくなることで発生します。動脈に狭窄が起こると、冠動脈の血流が制限される場合があります。狭窄は通常、動脈内に脂肪分が沈着すること(動脈硬化)によって発生しますが、冠動脈のけいれんによって発生する場合もあります。組織に供給される血流が不十分になった状態を虚血と呼びます。
動脈硬化による狭心症が最初に発生するのは、運動をしたり精神的に緊張したりすることで、心臓が普段より激しく働き、通常より多くの酸素が必要になった状況であるのが通常です。動脈のかなりの部分(普通は70%以上)がふさがると、心臓の酸素需要量が最も少なくなる安静時にも狭心症が起こるようになります。
重症の貧血によっても狭心症の可能性が高まります。貧血では、赤血球(酸素を運ぶ分子であるヘモグロビンを含む細胞)の数や赤血球中のヘモグロビンの量が異常に低下します。その結果として、心筋に供給される酸素の量が減少します。

●心筋梗塞
心筋梗塞とは心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気です。心筋を取り巻いている冠動脈は心臓に血液と酸素を送っています。これが動脈硬化で硬くなりコレステロールなどが沈着すると血液の通り道が塞がれ、心筋に血液を送ることができません。そのため心筋は酸素不足となり、心筋細胞が壊死を起こしてしまいます。これが心筋梗塞です。
原因は動脈硬化です。冠動脈の壁にコレステロールなどが沈着すると、こぶのように盛り上がった粥腫(じゅくしゅ)ができます。薄い膜で覆われている粥腫はれやすく、傷つくとその回りに血栓ができ、傷口を塞ぎ血流を悪くします。さらに血栓が大きくなると冠動脈を塞いでしまい血液を堰き止めてしまいます。そのため酸素不足となった心筋細胞が壊死を起こすのです。狭心症から心筋梗塞に移行することがあります。心筋梗梗塞の発作を起こす3~4週間前に狭心症の発作を起こしていた人も多いといいます。

●弁膜症
心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を「心臓弁膜症」といいます。心臓弁膜症には大まかに2つのタイプがあります。「狭窄」は弁の開きが悪くなって血液の流れが妨げられる状態です。「閉鎖不全」は弁の閉じ方が不完全なために、血流が逆流してしまう状態です。

●心不全
心臓の働きが不十分だと、すでに説明しましたように、まず心臓拍出量を維持する仕組みが働き、拍出量の低下が抑えられるものの、体のいろんな部分に負担がかかり、症状が出現します。
心不全とは、病名ではなく、「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」をいいます。
もちろん、心臓の働きのうち、どの働きが、どの程度、低下しているのか、その低下が急に起こってきたのか(急性心不全)、徐々に起こってきたのか(慢性心不全)によって、心不全の種類や程度はさまざまです。

●閉塞性動脈硬化症
主に手足、特に下肢の血管が動脈硬化によって硬く細くなって狭くなったり詰まったりすることで、血液の流れが悪くなり血行障害が起こり、手先や足先へ栄養や酸素が十分に届かなくなる病気。初期では、手足がしびれたり青白くなって冷たくなったりする程度だが、病気が進行すると少し歩いただけで足、特にふくらはぎが痛むようになる。やがて安静にしていても足が痛むようになり、深爪なども治りにくくなってくる。さらに症状がひどくなると、ちょっとした傷が原因で足先やくるぶしに潰瘍ができ、壊死することも多い。60歳以上、特に70歳以上の男性に発症しやすく、喫煙が大きなリスクとされている。糖尿病や高血圧なども発症の危険因子となる。
心臓から血液が全身の隅々に送られるための通り道である動脈は、基本的に内膜、中膜、外膜の3つから成り立っている。そのうち血液に接している内膜は、血液から必要な成分を取り出すフィルターの役割を果たし、血液が固まらないようにする役割も担っている内皮細胞に覆われているが、この内皮細胞が生活習慣病などの影響によって傷つくと、内膜の中に悪玉コレステロールといわれる脂肪やカルシウムがこびりつきやすくなり、血管が狭く硬くなってしまう。これが動脈硬化で、閉塞性動脈硬化症はこの動脈硬化が主に手足の血管に起こり、手先や足先まで酸素やエネルギー源が十分に届かなくなることが原因となって起こる。加齢に加えて、喫煙、運動不足、脂質異常症・慢性肝臓病・肥満・高尿酸血症・高血圧症などの生活習慣病が、発症に深く関わっている。

●不整脈
不整脈とは、一連の心拍が不規則、速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは心臓内で電気刺激が異常な経路で伝わるなど、心拍リズムの異常のことをいいます。不整脈の最も一般的な原因は心臓の病気(心疾患)です。
呼吸器内科
呼吸器内科の診療
●喘息(ぜんそく)
発作的にゼーゼーヒューヒューといった音(喘鳴)がして息苦しくなるとともに、せきや痰(たん)が出る症状を不定期に繰り返す病気です。正式には気管支喘息といい、夜間や早朝に出やすいのが特徴です。
慢性的に炎症を起こしている気管が何らかの刺激で発作的に狭くなることによって喘息発作を起こします。原因となる刺激にはチリやダニなどのハウスダスト、タバコの煙、カビ、ストレスなどさまざまですが、原因が分からないこともあります。
発作が起きれば即効性のある気管支拡張薬を吸入しますが、症状が落ち着いても気管の炎症は続いています。放置すると気管が硬く狭くなって元にもどらなくなる恐れがあるため、ステロイド薬などで炎症の改善を図る必要があります。
日本では喘息患者が増加傾向にあり、高齢者を中心に年間約2000人が喘息発作で亡くなっています。小児喘息も増えており、特にアレルギーやアトピー性皮膚炎の子どもは発症のリスクが高まります。ただ、喘息でなくても喘鳴を伴うよく似た症状が出ることがありますので、しっかりした診断が必要です。

●いびきをかく
いびきは、狭くなった喉(のど)が呼吸時に通る空気によって振動することで出る音です。特に眠っているときは筋肉が緩んで喉が狭くなりやすいのでいびきをかくのです。肥満や飲酒のほか、扁桃腺が腫れたときや口蓋垂(のどちんこ)が大きい場合、鼻炎や風邪で鼻が詰まっている場合などもかきやすくなります。扁桃腺炎や風邪の場合は治ればいびきも治まりますが、問題なのは、肥満などが原因で睡眠中に無呼吸状態を繰り返す睡眠時無呼吸症候群のときです。慢性的な睡眠不足から日中に眠気に襲われて集中力がなくなったり起床時に頭痛が現れたりするほか、高血圧や心筋梗塞のリスクが高まります。早めに診察、治療を受けましょう。「いびき外来」を掲げている耳鼻科がありますが、いびきが極端にひどいときや睡眠時無呼吸症候群の場合は呼吸器内科を受診するのがいいでしょう。

●日中の眠気
昼夜逆転の生活をしていたり寝不足であったりしたら、日中に眠気を感じるのは当然です。こうした一時的なものに限らず、日本人は慢性的に睡眠不足の傾向があり、自分ではよく寝たつもりでも睡眠不足に陥っている人が多いのが現状です。慢性的な睡眠不足は休日にいわゆる「寝だめ」をしても解消しません。生活習慣の見直しが必要です。
日中の眠気は、病気が原因のこともあります。多いのが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に繰り返し無呼吸状態になるもので、眠りが浅くなります。
また、ナルコレプシーといって、発作的に耐えきれない眠気に襲われて、食事中でも眠ってしまう睡眠障害があります。まだあまり知られていませんが、日本人には特に多く、600人に1人程度の患者がいるとみられています。運転中に襲われると事故につながる恐れがありますから、早期の診断治療が必要です。
このほか、治療薬の副作用や水分不足・栄養不足から生じる眠気などもあります。眠気に加えて、体がだるいとかめまいや立ち眩みがするといった状態が続くようなら、呼吸器内科や睡眠医療センターなどを設置している病院を受診するといいでしょう。

●せき
せきは風邪のときによく現れる症状ですが、これは、喉(のど)の奥から肺までの空気の通り道の知覚神経が刺激されて出るものです。風邪でなくても、飲み物でむせたり刺激のある気体を吸ったりした場合にも出ます。
風邪のせきは「からせき」と呼ばれ、長期間続く場合はマイコプラズマやクラミジア、肺炎などの感染症の疑いがあります。感染症以外では喘息(ぜんそく)やアレルギー性鼻炎、肺炎が原因となることがありあす。
一方、痰(たん)を伴うせきが3週間以上続く場合は、従来、慢性気管支炎や肺気胸と呼ばれていた慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、慢性副鼻腔炎、通年性アレルギー性鼻炎などの可能性があります。COPDの主な原因はタバコです。タバコはからせきも引き起こしますので、せきがひどい人はまず禁煙すべきでしょう。

●結核
結核菌という細菌に感染して起こります。結核菌はせきなどで飛沫感染しますので、結核患者は隔離入院が義務付けられています。感染しても結核になる人は10%程度で、多くの人は免疫ができています。ただ、高齢者で抵抗力が弱ったりすると発症する危険性が増します。結核菌はリンパ節や腸、骨などにも感染します。
かつては国民病とまで言われていた結核ですが、ペニシリンなどによる化学療法の普及で激減しました。とはいえ、最近は年間患数は横ばいで、結核に対する認知度が下がったため学校などでの集団感染も起きています。
全身倦怠感やせき、痰(たん)、微熱が続く、発汗、体重減少などの症状が出て死亡に至ることもあります。治療は長期に及びますが、服薬をきちんと続ければ、ほぼ治る病気です。ただし、途中で服薬をやめると薬剤耐性結核となって薬が効かなくなってしまいますので、根気のよい取り組みが必要です。

●痰がからむ
空気中から気道に入ってきたほこりや菌、ウイルスなどは気道内の粘液にからめとられて体外に出されます。これが痰(たん)です。多くの場合、せきで痰を出そうとします。健康であっても痰は出ているのですが、この場合はほとんどが水分で、無意識に飲み込んでいるので気づかないだけです。
喫煙歴の長い人や喘息では常に痰がからむこともありますが、痰に血が混じる(血痰)ときは肺がんや肺結核、気管支拡張症、肺炎などの疑いがあります。単に鼻血が混じっただけのこともありますが、濃い色の血痰が出たり血痰が続いたりするようだと検査してもらうべきです。
また、黄色や緑色の痰が出ることもあります。白血球などが体内に侵入してきた菌と戦った残骸であることが多いのですが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支拡張症なども考えられます。長く続くようだと、やはり検査を受けた方がいいでしょう。
痰がからんだときは水分を多くとるほか、多くの場合、ハッフィング法といって大きく息を吸い込んで小刻みに勢いよく吐き出す方法で排出することができます。

●息切れしやすい
息切れは呼吸をするのに努力を要する状態をいいます。健康な人でも山登りや激しい運動をしたときは息切れがしますが、これは体が酸素を求めているためです。
階段や坂道を上った程度の運動で息切れする場合は、呼吸器の病気や心不全などの可能性があり、貧血や赤血球が不足するなどして血液の酸素を運ぶ能力が低下していることも考えられます。
慢性的に息切れがする場合に多いのが慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。慢性気管支炎や肺気胸と呼ばれていた病気の総称で、気管支が炎症を起こして狭くなったり肺胞が潰れたりして酸素の取り入れ量が少なくなります。また、間質性肺炎の場合も肺胞の壁が壊れて酸素をうまく取り込めなくなります。
息切れを起こす病気はほかにもありますので、日常生活で息切れを感じやすくなったら呼吸器内科を受診してください。また、COPDの原因の8割は喫煙とされますので、禁煙は必須といえます。

●花粉症
アレルギー性疾患の一つで、植物の花粉が鼻や目の粘膜を刺激してくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみを引き起こします。日本で多いのはスギ花粉症ですが、ヒノキやブタクサ、マツなどに加えてイネ科の植物の花粉なども原因となります。
花粉症患者は近年増加傾向にあります。戦後全国に植林されたスギが成長して大量の花粉を飛散するようになったことに加え、排気ガスや大陸からのPM2.5などによる大気汚染、衛生環境がよくなって免疫が十分につくられず、少しの刺激で反応が出てくるようになったことなどが、原因として指摘されています。
花粉症発症を防ぐためには、花粉の飛散が多い時は外出を控え、洗濯物を室内干しにする、帰宅時に服や髪の毛に付着した花粉を落とす、ハウスダストやダニを排除するなど室内環境をきれいにすることなどが効果的です。
薬物治療では、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などの投与のほか、スギ花粉症に対する舌下免疫療法が注目されています。スギ花粉を原料としたエキスを含む錠剤を舌の下に含み、体をスギ花粉に慣らすことで発症を抑えるものです。効果が出るまでに時間がかかりますから、翌年のスギ花粉シーズンに向けての対策と心得ておくといいでしょう。

●肺炎
細菌やウイルスに感染して肺に炎症を起こす病気です。日本人の病気による死亡数でがん、心疾患に次いで第3位です。肺炎で最も多いのが肺炎球菌によるもので、インフルエンザの合併症としてもよく見られます。
発熱やせき、痰(たん)、胸の痛み、息切れなどのほか、疲れやすかったり、発汗、腹痛、吐き気などが出たりします。重症の場合は呼吸困難を伴います。ただ、高齢者の場合、初期には症状を自覚しないこともあります。
治療は病原微生物を調べたうえで、抗菌薬を用いますが、日ごろからバランスの良い栄養摂取に務めるとともに、適度な運動、タバコを吸っている人は禁煙を心がけるようにしてください。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も予防に効果的です。

●COPD
慢性閉塞性肺疾患といい、かつて慢性気管支炎、肺気胸と呼ばれていた病気の総称です。有害物質に長期間さらされて起きる気管支や肺の炎症疾患で、原因の8割は喫煙とされます。
中高年に多く、40歳以上では罹患者が8.6%と推計されています。気管支では炎症が起きて細くなり、肺ではブドウの房状の肺胞が潰れ、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出量が少なくなります。このため、息切れがしやすく、せきや痰(たん)が出ます。
治療の基本は禁煙で、呼吸訓練や栄養療法、運動療法を併用することもあります。薬物療法の中心は気管支拡張薬で、重症の場合は吸入ステロイド薬も用います。

●睡眠時無呼吸症候群
鼻からのどの奥までの上気道が狭くなって、睡眠中に無呼吸を繰り返す病気で、さまざまな合併症を起こします。女性より男性がやや多く、男性では40~50代、女性では閉経後に増えます。
上気道が狭くなる最も多い原因は肥満ですが、肥満でなくても、扁桃腺肥大や鼻中隔湾曲で鼻の中の空気の通りが悪いことや、あごが後退していたり小さかったりするのも原因になります。
いびきや夜間の頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛などの症状が出、高血圧や心筋梗塞、脳卒中を起こすリスクが3~4倍に高まるとされます。
治療ではCPAP(シーパップ)が効果的です。睡眠中にマスクを装着して空気を送り込み、その空気圧で気道を広げる装置です。下あごを前方に移動させるマウスピースもあります。いずれも根本治療ではありませんので、生活習慣を見直し肥満解消を図る必要があるでしょう。

●胸水
胸の内側の胸膜に包まれた胸膜腔にたまる液のことです。胸膜腔には常時少量の胸水がたまっていますが、毛細血管から水分がしみ出しやすくなったり、血液中のたんぱく質などが減ったりすると、その量が増えます。
前者を滲出性胸水といい、細菌性肺炎や結核性胸膜炎、膠原病などで起こります。後者は漏出性胸水と呼ばれ、最も多くみられるのが心不全で、肝硬変やネフローゼ症候群などでも胸水がたまります。
胸水がたまると胸の痛みや息切れ、せき、しゃっくりなどが出ます。胸水を取り除くには胸膜腔内に管を入れて吸い出す方法などがありますが、根本的には原因となっている病気の治療が必要です。
高齢者外来
高齢者外来の診療
●物忘れ
物忘れは、年をとることで誰にでもおこるものです。しかし、単なる物忘れでも、認知症の一つの症状としてあらわれるものもあります。
<認知症の可能性がある物忘れ>
□物事の段取りがわからなくなる □日付、時間や場所等がわからなくなる
□経験の一部ではなく、経験したもの全体を忘れてしまう
□そもそも、物忘れかどうか分からない
あくまでも、上記は目安となります。
認知症の診断は、早期に医師による適切な診断と治療が必要です。

●認知症
認知症は加齢による脳の老化とは異なりますが、誰もがかかる可能性がある身近な病気のひとつです。以前は「痴呆(ちほう)」といわれていました。認知症とは、後天的な脳の器質的障害により、いったん発達した脳の機能が低下した状態でアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などに分けられます。
アルツハイマー型認知症は認知症の中でいちばん多く、男性より女性に多く見られ、脳の機能の一部が萎縮していきます。血管性認知症は比較的男性に多くみられ、全体的な記憶障害ではなく、一部の記憶は保たれている「まだら認知症」が特徴です。
認知症を完全に治す治療法はまだありませんが、早期に診断することにより、薬によって進行を遅らせる可能性が高まりました。原因によっては症状が急激に進んだりする場合がありますので、早期発見、早期治療で進行を抑え、症状を軽くすることが大切です。
【認知症の主な症状】
□物忘れが目立つ出来ていたことが出来なくなってきた □歳を取ってから怒りっぽくなっている

●睡眠障害
睡眠障害とは、睡眠に関して何らかの問題がある状態を言います。
睡眠障害の背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、生活リズムの乱れ、ストレスなどがあるのかもしれません。
睡眠に問題があるというとまず思い浮かぶのはこの不眠ですがそれ以外にも、昼間眠くて仕方がない、睡眠中に病的な運動や行動が起きてくる、睡眠のリズムが乱れて戻せない、など他の特徴をもつ疾患もあります。
睡眠障害によって日中の眠気やだるさ、集中力の低下などが引き起こされると、日々の生活に支障をきたし、極端な場合にはさまざまな事故につながることもあります。また、睡眠障害が長期間持続すると、生活習慣病やうつ病などにかかりやすくなると言われています。そのため、睡眠障害は放置せず、適切に対処することが重要です。
睡眠障害の治療は疾患によって異なっており、睡眠薬の服用だけが睡眠障害の治療ではありません。症状やサイン、診察や検査の結果から、その原因となる疾患を適切に診断し、原因に応じた治療を行ってまいります。
<このような症状でお困りではありませんか?>
□寝付けない夜中に何度も目が覚める  □早すぎる時間に目が覚める
□よく寝たはずなのに眠った気がしない □長時間眠っても疲れが取れない
□大事な時に眠ってしまう       □寝てる間に叫んでしまう、暴れてしまう
上記以外にも眠りに関するお悩みはお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症
骨粗鬆症について
●骨粗鬆症とは
老化などが原因となって骨の量が減少し、鬆(す)が入ったように骨がスカスカになり、もろくなって骨折リスクが高くなってしまう疾患です。
骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20〜30歳頃の若年期をピークに、歳を重ねるとともに減少していきます。
この骨密度が減少をきたすことによって骨粗鬆症と言われる状態になり、背骨が身体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折すると言った事態を引き起こしがちになります。
骨密度は50歳ごろから低下し始めます。高齢者の骨折は寝たきりの原因となるため、骨折予防が非常に重要です。
定期的に骨密度を測定することで治療効果の判定にもなります。
また骨代謝マーカーの測定も行い、ひとりひとりに最適な骨粗鬆症治療を行います。

●女性に多い骨粗鬆症
骨粗鬆症は、高齢の女性を中心に、年々増加の一途をたどっています。
骨粗鬆症は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する更年期以降に特に多くみられます。エストロゲンには、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。
閉経して、このエストロゲンの分泌量が減少してきますと、骨吸収のスピードが速まるため、骨形成が追いつかず、骨がもろくなってしまうのです。
そのため、閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し始めます。
50歳になる前に一度は骨粗鬆症の精密検査を受けるようおすすめいたします。
一方では、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒なども骨粗鬆症の原因と考えられており、最近は高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗鬆症も問題視されています。

●骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症の診断には、骨密度の測定、X線検査、身長測定、血液・尿検査などが行われます。
【骨密度の測定】
骨の強さを測定する際の重要な尺度の1つに「骨密度」があります。
当院では骨密度測定装置を導入し、この検査機器による骨密度の測定を行なっております。
【X線検査】
主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形が無いか、また「骨粗鬆症」の有無(骨に鬆(す)が入ったようにスカスカになっていないか)を確認します。
骨粗鬆症と他の疾患とを判別するのに必要な検査です。
【身体測定】
25歳の頃の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。
25歳時より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折する危険性が2倍以上高いという報告があります。
【血液検査・尿検査】
骨代謝マーカーを調べることにより、骨の新陳代謝の速度が分かります。
骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人では骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。

●骨粗鬆症の予防と治療
骨粗鬆症の原因のうち、年齢や性別、遺伝的な体質などは変えることができません。
しかし、変えることのできる要素、つまり食生活や運動などの生活習慣を見直すことにより予防と改善が可能です。
【食事療法】
骨粗鬆症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやタンパク質、および骨のリモデリングに必要なビタミンD、Kなどです。
カルシウムは食品として700〜800mg/日、ビタミンDは400〜800IU/日、ビタミンKは250〜300μg/日を摂取することが推奨されています。
これらの栄養素を積極的に取りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。
骨粗鬆症の人が避けるべき食品は特にありませんが、リンやカフェイン、アルコールなどの摂り過ぎには注意しましょう。
過ぎた量のアルコールは、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からカルシウムの排泄量を増やしたりします。カフェインもまた、カルシウムの排泄を促します。
リンを摂り過ぎると、血液中のカルシウムトリンのバランスを保とうとして骨の中のカルシウムが血液中に放出されてしまい、骨密度の減少を招きます。
●積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品
カルシウム…牛乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
タンパク質…肉類、魚類、卵、乳製品、大豆 など
ビタミンD…あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干し椎茸 など
ビタミンK…納豆、抹茶、パセリ、しそ、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

【運動療法】
骨は運動をして負荷をかけることで増え、より丈夫になります。
さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚がよくなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療には欠かせません。
骨量を増やすには、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの中程度の強度の運動が効果的で、激しい運動をする必要はありません。
散歩などを、可能なら毎日、あるいは週に数回でも有効ですので、とにかく長く続けてください。運動量を少しでも増やそうとする心がけが大切です。

【薬物療法】
症状が進んだケースでは、食事療法や運動療法に併せて薬物療法を開始します。
現在使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。
また、腰や背中などに痛みがある場合は、痛みを取る薬も用いられます。
どんな薬を選び、いつから治療を開始するかについては、個々の患者様の年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら医師が判断します。
現在、治療に用いられている薬には、主に以下のようなものがあります。
<ビスフォスフォネート製剤>
骨吸収を抑制することによって骨形成を促し、骨密度を増やします。
骨粗鬆症の治療薬のなかでも特に有効性の高い薬です。ビスフォスフォネートは腸で吸収され、すぐに骨に届きます。
そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するのです。
骨吸収が緩やかになると、骨形成が追いついて、密度の高い骨が出来上がります。
<SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)>
骨に対しては女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。
<副甲状腺ホルモン製剤>
骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。
専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬があります。複数箇所の骨折が起こっている、骨密度が著しく減少しているなど、重症の患者様に対して用いられます。
<活性化ビタミンD>
カルシウムの腸管からの吸収を増やす働きがあります。
また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。
<ビタミンK>
ビタミンK2は骨芽細胞に作用することで骨形成を促し、同時に骨吸収を抑制することで、骨代謝のバランスを整え骨の質を改善します。
骨折を減らす効果が認められています。
<女性ホルモン製剤(エストロゲン)>
女性ホルモンの減少に起因する骨粗鬆症に有効です。閉経期の様々な更年期症状を軽くし、併せて骨粗鬆症を治療する目的で用いられます。
<カルシトニン製剤>
骨吸収を抑制する作用があり、強い鎮痛作用も認められています。
骨粗鬆症に伴う背中や腰の痛みに用いられます。
<抗RANKLモノクローナル抗体>
破骨細胞は、骨芽細胞と結合することによって骨を壊す細胞になります。
この結合する部分(RANKL)をブロックすれば、結合することができなくなるため、骨は壊れなくなります。このようにして骨が溶け出していく過程が遮断され、骨粗鬆症を治療することができると考えられています。
なお、この薬の特徴は、6ヶ月に1回の皮下注射で済む点です(6ヶ月製剤)。
ただし、血中のカルシウム濃度が下がりがちなため、ビタミンD製剤やカルシウム製剤を毎日服用していただくようになります。
医院の情報
施設名 小池クリニック 備考欄 内科・循環器内科・呼吸器内科・外科
所在地 〒662-0927 西宮市久保町7-35
電話 0798-42-7692
アクセス案内 阪神本線 西宮駅より徒歩約10分
診療時間 月火水木金土 9:00~12:00 月火水金 17:00~19:00 9:00-12:00、17:00-19:00
日祝日 木・土曜日午後 日曜、祝日、年末年始
ホームページ https://koike-cl.jp
トップへ戻る