かねしろくりにっく

かねしろクリニック

〒560-0011 豊中市上野西2丁目20-27
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UPDATE: 2021-01-25 15:57:12
唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの大唾液腺と、舌や口蓋などの粘膜面に多数存在する小唾液腺から分泌されます。

通常、健康な成人は1日あたり平均1.0~1.5Lもの唾液を分泌しています。

唾液は99%以上が水分で残りの1%ほどに抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を含みます。

主に自浄作用、抗菌作用、pH緩衝作用、再石灰化作用、消化作用、粘膜保護・潤滑作用、溶解・凝集作用、粘膜修復作用があります。

抗菌作用で特に重要なのは免疫グロブリンのIgAで、口内に侵入してきた病原体はIgAがくっつくことで無力化されます。

細菌だけではなくウイルスにも働きかけるため、風邪やインフルエンザなどウイルス性の病気の発症を防ぐ効果もあり、新型コロナウイルスにも有効と考えられます。

腸内と同様に口内フローラがあり、多くの善玉、悪玉、日和見菌が均衡を保っていて、特に乳酸菌は病原体へ対抗するためにも欠かせません。

口内環境を整える事で病原体に対抗する力がスムーズに働きますので、普段からしっかりと噛んで食事をして唾液を分泌することが重要です。

常にマスクをしているとマスクの内側に湿気が溜まって雑菌が繁殖し、口内フローラのバランスが崩れて免疫が下がる危険があります。

消毒液でうがいをすることが感染予防になると勘違いしている人も居ますが、口内フローラのバランスを崩して免疫が下がるため絶対にしてはいけません。

食後に歯磨きをするのが良いと誤解している人が多いですが、食後30分ほどは唾液もよく分泌されていますので、食後30分以内に歯磨きをしてしまうと自浄作用や再石灰化作用などの効果が落ちてしまうので逆効果です。

もし歯磨きをするなら食後30分以降にするようにしましょう。
虫歯予防のために歯磨き剤にフッ素が含まれていますが、歯磨きの後に口をゆすいでしまうとフッ素まで洗い流してしまいます。

スウェーデンでは虫歯の人がほとんど居ませんが、歯磨きの後に歯磨き剤だけを吐き出して口をゆすがないようにするとフッ素がしっかりと残るために虫歯対策になります。

効果を上げるためには歯磨きの後は最低でも30分は飲食をしない事が必要です。

参考までに私の口内ケア法を紹介しますが、虫歯対策としてスウェーデン式は有効ですが、毎食30分後に歯磨きをして更に30分は飲食ができないというのは不便なので、毎食後にガムを噛んで更に唾液の分泌を促し、食べかすはガムに付着して取れますし、どうしても食べかすが取れない時はフロスを使ったりします。

就寝前にしっかりとスウェーデン式歯磨きをして1日の口内ケアの総括をします。

寝ている間は唾液の分泌が減って雑菌が繁殖するので起きてからの口内ケアも大事ですが、歯磨きをしてしまうと30分は食事が摂れないので、洗口液でしっかりと口をゆすぐようにしています。

唾液は口の外に出てしまうと感染源になり得ますので、公共の場では大声を出すなどの行為は控えるべきですが、これはエチケットとしても当然の事だと思います。

しかし唾液が単なる感染源だと思う事は明らかに間違いで、マスクをせずに口内フローラを整え、会食を行ってしっかりと噛むことで唾液の分泌を促すことで免疫が上がって感染しにくくなる可能性が考えられます。


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