「琳派で彩られた秋の京都を感じてみませんか?」
最近、京都の街を歩いていると【琳派】の二文字を目にする機会が増えたような気がします。この「琳派」という文字を目にすると、ふと思い浮かぶのは、やはり学校の教科書で紹介されていた風神雷神屏風図、もしくは俵屋宗達や尾形光琳ではないでしょうか。この「琳派」の言葉を見聞きしたことがあって、なんとなくわかっているようでも、実際は曖昧なイメージを持たれている方も多いのではないかと思います。
では、いったいこの「琳派」とはどういうものなのでしょうか? 「○○派」というと、狩野派や土佐派のように師弟関係が受け継がれた組織だと思われがちですが、実はそうではなく、先人の芸術作品に敬意をもって学びながら、その時代の芸術家たちが琳派の技法を取り入れ、各々の個性を発揮し、新しいものを作り上げながら挑戦し、現代まで受け継がれている造形芸術の流派を指します。
本阿弥光悦と俵屋宗達が創始者で、100年を経て尾形光琳・尾形乾山らがその精神や技を受け継ぎ発展させてきました。その100年後の江戸時代後期に、絵師である酒井抱一や鈴木其一が江戸琳派として定着させ、そのまた100年後、神坂雪佳によって明治大正期まで受け継がれました。不思議なことに100年おきに画風を継承する巨星が現れ、現代にも引き継がれています。このように琳派は、時代も場所も身分も離れた人々によって受け継がれた珍しい流派なのです。
今年はその創始者の一人である本阿弥光悦が、徳川家康から京都の鷹峰の土地を拝領してからちょうど400年ということで京都では琳派400年として琳派関連のイベントが開催されます。この機会に、今年は琳派で彩られた秋の京都を訪れ、ゆかりの地をめぐりってみたり、イベントに参加してみたりと、琳派に彩られた特別な京都を感じてみませんか?
琳派の創始者の一人である本阿弥光悦が、徳川家康よりここの土地を拝領され草案を立て一族や職人たちと供に移り住み芸術村を築いた。光悦の死後、本法寺の日慈上人によって寺となる。
所在地 京都市北区鷹峯光悦町29
拝観料 300円
■常照寺
本阿弥光悦が開基し、1616年に本阿弥光悦は鷹峰に弘通していた日乾上人を招じてここを捧げ、日乾上人が開創しました。更にここを僧侶の学問所として鷹峰檀林を創設し鷹峯における日蓮宗の学僧が集まる中心的なアカデミーだった。
所在地 京都市北区鷹峯北鷹峯町1
拝観料 大人300円 小人150円
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■頂妙寺
風神雷神図屏風で有名な俵屋宗達ゆかりの寺。
重要文化財である「紙本墨画牛図」などが所蔵されている。
所在地 京都市左京区仁王門通川端東入ル大菊町96
■建仁寺
京都最古の禅寺である建仁寺では俵屋宗達の最高傑作「風神雷神図屏風」(国宝)をみることができる。
所在地 京都市東山区大和大路通四条下る小松町
拝観料 一般500円 中学・高校生300円
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■醍醐寺
俵屋宗達の作品「舞楽図」「扇面散図」「芦鴨図衝立」の三点がまとまって残っている寺は他にはないことから、宗達と醍醐寺が特別な関係にあったことをうかがわせる。
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■本法寺
本阿弥光悦の菩提寺。光悦の作庭といわれる「巴の庭」(名勝)や光悦作「花唐草螺鈿経箱」(重文)などの寺宝がある。
所在地 京都市上京区小川通寺ノ内上ル本法寺前町617
拝観料 宝物館(涅槃会館)大人1000円 中高生600円 小学生以下無料
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■妙顕寺
琳派の芸術家として有名な尾形光琳ゆかりの寺。
書院前の庭園「光琳曲水の庭」は尾形光琳の屏風絵を元に作られたといわれる。
宝物殿には光琳筆の「寿老松竹梅三幅対」などが所蔵されている。
所在地 京都市上京区寺之内通新町西入妙顯寺前町514
拝観料 300円(庭園拝観)
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※秋の特別拝観 「龍華飛翔の庭」に面した客殿にてお抹茶席が催されます。併せて寺宝の特別公開もあります。
10/10-11/30(お抹茶席は11/24-11/30)
■養源院
豊臣秀吉の側室、淀殿が父オの浅井長政の供養のために建立した。俵屋宗達による「松図」や「白象図」などの杉戸絵をみることができる。
所在地 京都市東山区三十三間堂廻り町656
拝観料 500円
京都
■琳派オマージュ展京都国際マンガミュージアム
9/19-11/3
■京都野外彫刻展 京都府立植物園
9/26-10/12
■京都画壇にみる琳派のエッセンス ユーモアとウィット堂本印象美術館
10/7-11/29
■「琳派イメージ」展 京都国立近代美術館
10/9-11/23
■琳派 京を彩る 京都国立博物館
10/10-11/23
■「植物園de RIMPA 2015」お茶といけばなの祭典 京都府立植物園
10/18
■アートアクアリウム城 京都・金魚の舞 二条城
10/23-12/14
■プロジェクションマッピング 京都国立博物館
11/7-11/9
■琳派降臨-近世・近代・現代の「琳派コード」を巡って 京都市美術館
1/14-2/14
京都以外の場所
■ギンザ・グラフィック・ギャラリー第350回企画展「21世紀琳派ポスターズ」ギンザ・グラフィック・ギャラリー
10/5-10/27
■琳派と秋の彩り 山種美術館
9/1-10/25
■琳派の美 光悦・宗達から抱一まで MOA美術館
11/20-12/24